おとな向けおすすめ本アラカルト

 大人向けの本(YA向けもあり)の紹介のコーナーです。今までで気になった本や感動した本など、栞のメンバーから聞いてみました。以前会報紙で紹介した本もあります。ぜひ読んでみてください。


※YAとは13~19歳の中高生世代をいいます。(使われているイラストは、表紙及びカットとは関係ありません)


「空は逃げない」

まはら美桃 著  小学館

棒高跳びの記録を競う大学生A太郎とB太郎。二人は同姓同名。かたや平凡な記録、かたや全国レベルの花形選手。大学時代と数年後の現在が交差して話は進んでいきます。途中どっちがどっち?の部分も。空に向かって飛び出すように、ラストに向かって感動します。

「しずかな魔女」

市川朔久子・著 平澤朋子・絵 岩崎書店

中1の草子は不登校になって図書館に通います。そんな中、心無い言葉に傷つけられた草子は、司書からかけられた「しずかな子は魔女に向いている」という言葉が気になり、その言葉の本をレファレンスにかけます。そこで渡された物語は…?たくさんの優しさと心がじ~んとします。 YA

「第二音楽室」

佐藤多佳子 著 文藝春秋

音楽をモチーフにしたスクール小説。どの作品も、学校生活ならではの楽しさに加えて、演奏を一緒に作っていく一体感の喜びを感じます。みずみずしくって、ああ昔そうだったなって久しぶりにキュンとなりました。「スローモーション」もおすすめ! YA

「聖夜」

佐藤多佳子 著 文藝春秋

「第二音楽室」に続くシリーズ二作目。ミッション系の学校に通うオルガン部の一哉は、幼い頃に母が出て行ってから音楽とまっすぐに向き合えない。でも難関曲への挑戦と苦悩、友情と恋などを通して成長していきます。神様や宗教のこと、音楽もよくわからない。でも、とても興味深く面白かったです。 YA



「そして、バトンは渡された」

瀬尾まいこ 著 文藝春秋

 主人公の優子には父親が3人、母親が2人います。大抵の人は、幸せではない辛いストーリーを想像すると思いますが、優子は全然不幸だと感じたことはありません。皆優子のことを大切にし、それぞれの形の愛があったからです。家族の形に「こうあるべき」という決まりなんてない。そんな想いがすんなりと心に沁みてくるとても素敵な一冊です。

「ひとつむぎの手」

知念実希人 著 新潮社

大学病院での心臓外科医のお話。

ちょっとお人好しでグズグズな部分もありながら、患者さんにとても真摯に向き合う主人公。大学病院内の権力争い的なサスペンスあり、緊迫感あり、心温まる部分ありで一気に読めます。

「北斗 ある殺人者の回心」

石田衣良 著 集英社

 両親から虐待を受けて育った北斗は、高校生の時、父の死により里親と暮らすことなる。そこで初めて平穏な日々が訪れる。しかしその日も続かず、里親が癌に侵され、医療詐欺に遭ってしまう。里親を亡くした彼は殺人を犯すが…。読んでいて、苦しくなったり切なくなったり、涙したり。早く先が知りたくて本を置けない。心が揺さぶられました。

「風のマジム」

原田マハ 著  講談社文庫

契約社員からラム酒を作る会社の女性社長になるサクセスストーリー。とてもパワーをもらえます。何か落ち込んだ時に、本は心を救ってくれる。私もこの本でその生きる力と感動をもらいました。



「ラブリィ」

吉田桃子 著 講談社

映像コンクールで特別賞に選ばれた中学生の拓郎は、映画の主役だった涼子がみんなからブスと言われていることに「見た目ってなんだ!?」という問題意識をもちます。思春期で一番気になる「見た目」。ちょっと重い問題を拓郎の目で素直にコミカルに書かれているので、とても清々しい。 YA

「卵の緒」

瀬尾まいこ 新潮文庫

小学生の育生は自分が捨て子でないかと疑い、お母さんにへその緒を見せて欲しいと言います。でもあなたは卵で産んだと言われてしまう始末。誰よりも育生を愛しているのがわかるのですが…。 読み終わった後、愛情ってこんなに胸に迫るものなんだと実感させられた本です。

「明日の子供たち」

有川浩 著  幻冬舎

児童養護施設に元営業マンが転職してくるところからお話が始まります。「可哀想な子供達の為に働きたい。」でもそれは大間違いでした。何が幸せで、何が不幸か?とても考えさせられます。

「何もかもわずらわしいなあと思う日のスープ」

小林カツ代 著 講談社+α文庫

心と体が疲れた時、空腹だけではなく、空っぽの心を埋めてくれる35のレシピとエッセイ。読んでいると心が癒されます。



「恩寵」

ほしおさなえ 著  角川書店

古い民家を借りた風里。その庭の井戸には、高名な書家の娘葉と天才建築家の愛の物語が秘められていた。風里と一世代前に住んでいた葉が時代を超えてかかわり合う捕らわれた心をやさしく解き放つ愛と許しの物語。刺繍が物語にとても合っていて素敵です。

「常設展示室」

原田マハ 著 新潮社

色々な美術館の常設展示室にある作品をモチーフにした6編からなる短編集。色々な悩みを持つ主人公たちが、出会った一枚の絵画をきっかけに、自分の人生を見つめ直していく。1編1編に感動します。特に「群青」と「道」は胸に迫ります。

「生きるコント」

大宮エリー 作 文春文庫

脚本、演出等こなす大宮エリーのエッセイ。笑えます。ビックリします。人の生き方、考え方って本当に色々。息抜きしたい方におススメ。生きるコント2も発売されています。

「先生のお庭番」

朝井まかて 著  徳間文庫

ランダ医師のシーボルトと彼の薬草園のお庭番となった熊吉の4年間にわたる交流を描いたものです。シーボルト事件での謎。そして史実とフィクションが、ない交ぜになり興味深いです。人と人との絆を信じようとする熊吉の姿、美しい日本の植物、景色が印象に残ります。



「さかなクンの一魚一会」

さかなクン 著       講談社

さかなクンの自叙伝。何でも夢中になって一生懸命のさかなクン。夢中になれるものがあるということは心の支えになるとこの本は教えてくれます。何と言っても お母さんの育て方がユニークで面白い。子育て中のママにもぜひ読んでほしい。 YA

「本日はお日柄もよく」

 原田マハ 著 徳間書店

結婚式で聴いたある一本のスピーチ。スピーチライター久遠久美の素晴らしい祝辞に感動したこと葉は、久美に弟子入りすることに。感動の連続です。物語も感動しますが、スピーチがとても素敵です。そして泣けます。こんなスピーチできたらな…。 

「無私の日本人」

磯田道史 著 文藝春秋

日本の歴史学者が著した江戸時代に生きた3人の評伝です。武士にお金を貸し、利子で郷里を潤すことを成し遂げた穀田屋十三郎を始め、儒学者・中根東里、歌人・大田垣蓮月の感動傑作評伝です。読後、かつての人たちの声が清流の上を渡り、身体を透過していくようでした。

 

「古典落語一〇〇席」

立川志の輔選、監修 PHP研究所編

滑稽、人情、艶笑、怪談からなる古典落語の名作100本のダイジェストです。古典落語に息を吹き込むのは、落語家の話術や技量、人間性です。読み終わったら生の落語が聞きたくなり、寄席にも行ってみたくなります。



「ひかりの魔女」

山本甲士著 双葉社

1日1日を丁寧に生きるひかりおばあちゃんが、家族や周りの人を幸せにするお話。ほっこりするシリーズ本です。 児童向け

「本能寺の変431年目の真実」

明智憲三郎 著 文芸社文庫

これは本能寺の変の背景と事実を論文的に記した読物です。事件の動機、信長の野望、秀吉の顛末文書、家康の行動と春日局、外国人の感想、歴史にif?事実追求に納得性があります。

「踊る猫」

折口真貴子 著 光文社

江戸時代の俳人与謝野蕪村が見聞きした怪のはなし。人々のくらしに、もののけが溶け込み、信じ、恐れていた時代の古の町並みや風景が目に浮かぶ珠玉の一冊。もののけ話がお好きな方にぴったり!

「野草見分けのポイント図鑑」

林弥栄・総監修 イラスト・石川美枝子 講談社

この図鑑では植物の姿の写真に加えて、似た植物のイラストを並べて、違いを説明しています。この図鑑を見てから色々な花をじっくり見るようになりました。